コラム
排水管詰まり解消に必要な料金はどれくらい?費用を抑える方法も解説

マンションや店舗の排水管トラブルで、その場しのぎの修理を繰り返し、結果的にコストがかさんでいると感じることはないでしょうか。排水管詰まりの修理料金は、詰まりの状況や依頼する時間帯によって大きく変動します。
本記事では、排水管詰まりの基本的な料金相場から、追加料金が発生する具体的なケース、長期的な視点で費用を抑える方法を解説します。ぜひ参考にしていただき、無駄な出費をなくし、計画的な建物管理を実現してください。
排水管詰まりを専門業者へ依頼する場合の料金相場一覧
排水管詰まりの修理費用は、物件の規模や詰まりの状況によって大きく変動します。マンションや店舗経営において、予算計画を立てるためには正確な相場の把握が不可欠です。
詰まりの程度 | 作業内容 | 料金相場 |
軽度 | 薬剤洗浄 | 4,000円~1万2,000円 |
中度 | 高圧洗浄 | 1万5,000円~6万円 |
重度 | 管内調査含む | 6万円~ |
これらの金額を基準に、複数業者から見積もりを取ることで適正価格での依頼が可能になります。
ただし、物件の構造や配管の長さ、作業時間帯によって料金は変動するため、詳細な見積もりが肝心です。とくにマンションの共用部分や飲食店の厨房排水は、一般的な住宅より高額になる傾向があります。
排水管詰まりを自分で解消する場合の料金とは?
軽度の詰まりであれば、市販の薬剤や道具を使って自分で対処することも可能です。パイプクリーナーなどの薬剤は100円~1,000円程度で購入できます。
ただし、マンションや店舗の場合は配管が複雑なため、誤った対処により被害が拡大するリスクがあります。とくに共用部分の排水管は、専門知識なしに触ると階下への水漏れなど二次被害を引き起こす可能性が高いです。また、業務用の厨房排水など油脂分が多い詰まりは、市販品では解消困難なケースがほとんどです。結果的に業者を呼ぶことになり、初期対応の費用が無駄になることも少なくありません。
排水管詰まりで追加料金が発生する5つのケースと注意点
専門業者に依頼する際、「基本料金」だけで判断すると最終的な請求額との差に驚くことがあります。これは、特別な状況や追加の作業が必要な場合に、基本料金とは別に追加料金が発生するためです。
ここでは、追加料金が発生しやすい5つのケースと、トラブルを避けるための注意点を解説します。
- 夜間や早朝での作業を依頼する場合
- 緊急性が高く急ぎで依頼する場合
- 管内カメラの複数使用を依頼する場合
- 排水管が特殊形状または長い場合
- 業者に断られたことがある重度の詰まりがある場合
- 見積もり段階で追加料金の可能性を必ず確認する
それぞれ見ていきましょう。
夜間や早朝での作業を依頼する場合
多くの業者は、夜間や早朝の作業に割増料金を設定しています。深夜から早朝にかけての時間帯は、25~50%程度の追加料金がかかるのが一般的です。これは作業員の労働環境を確保するために必要な費用といえます。
飲食店の営業終了後や、マンションの住民が活動していない時間帯にしか作業できないケースもあるでしょう。その場合、日中の作業に比べて総額が高くなることを想定しておく必要があります。緊急時以外は、可能な限り通常の営業時間内に依頼することが費用を抑えるポイントです。
緊急性が高く急ぎで依頼する場合
「今すぐ来てほしい」といった緊急性の高い依頼も、追加料金の対象となる場合があります。業者によっては「特急料金」や「緊急対応費」といった項目で、数千円から1万円程度の追加費用が設定されていることがあります。
これは、ほかの作業スケジュールを調整したり、待機している作業員を急行させたりするための費用です。とくに休日や深夜の緊急依頼は、時間外割増料金と合わせて費用が上がりやすくなります。依頼時に緊急対応の料金体系についても確認することが大切です。
管内カメラの複数使用を依頼する場合
排水管の内部を調査するための管内カメラの使用は、基本的に有料のオプションです。とくに複数の箇所でカメラを使用したり、調査に長時間を要したりすると、その分費用がかさみます。
詰まりの原因が特定できない場合、カメラによる調査は有効です。しかし、不要な調査を繰り返すと料金は増えてしまいます。作業前にカメラ調査が必要な理由と、それにかかる費用について業者から十分な説明を受けましょう。これにより、納得感を持って作業を依頼できます。
排水管が特殊形状または長い場合
建物の排水管が複雑な形状をしている、通常より長いなどの場合も追加料金が発生しやすくなります。作業の難易度が上がり、特殊な機材やより多くの作業時間が必要になるためです。
たとえば、曲がりくねった配管や、清掃口から詰まり箇所までの距離が数十メートルある場合などがこれにあたります。古い建物や特殊な設計の店舗などでは、図面だけでは分からない配管構造になっていることも少なくありません。見積もり時に、建物の築年数や構造について正確に伝えると安心です。
業者に断られたことがある重度の詰まりがある場合
過去にほかの業者が作業を断念したような、重度の詰まりは料金が高くなる傾向にあります。コンクリートのように固まった油脂や、配管の奥深くで複雑に絡み合った異物などは、除去作業の難易度が格段に上がるからです。
このようなケースでは、強力な高圧洗浄機や特殊な先端工具の使用が不可欠となります。場合によっては、複数の作業員での対応が必要になることも。ほかの業者での対応履歴がある場合は、その情報を事前に伝えることで、より正確な見積もりが期待できます。
見積もり段階で追加料金の可能性を必ず確認する
トラブルを防ぐために肝要なのは、見積もり時の確認です。「この金額以上はかかりませんか」と明確に質問し、追加料金が発生する条件を書面で確認しましょう。優良業者であれば、想定される追加料金のパターンと金額を事前に説明してくれます。
「作業してみないと分からない」という曖昧な回答をする業者は避けるべきです。また、見積書には「上限金額」を明記してもらうことで、予想外の高額請求を防げます。マンション管理組合や店舗の経理担当者への説明も、明確な見積書があればスムーズに進められるでしょう。
排水管詰まりに関する料金を抑える方法
排水管のメンテナンスは避けられない経費ですが、工夫次第で大幅なコスト削減が可能です。以下4つの方法を実践することで、年間の維持管理費を削減できます。
- 緊急の個別対応から計画的な一斉清掃へ切り替える
- 専門業者と相談し建物に合わせた清掃周期を最適化する
- 複数年契約を結び1回あたりの単価を引き下げる
- 複数の所有物件で一括発注し交渉する
詳しく見ていきましょう。
緊急の個別対応から計画的な一斉清掃へ切り替える
料金を抑えるもっとも効果的な方法は、個別の緊急対応から計画的な一斉清掃へ切り替えることです。緊急対応は割増料金がかかるうえ、対応が後手に回りがちになります。
一方、年に1回など定期的に全戸一斉の高圧洗浄を行えば、一戸あたりの作業単価を大幅に下げることが可能です。これにより、年間の維持管理費を予算として組み込めるようになります。突発的な出費に悩まされることがなくなり、安定した建物経営につながるでしょう。
専門業者と相談し建物に合わせた清掃周期を最適化する
定期清掃へ切り替える際は、その周期を建物の状況に合わせて最適化することが大切です。過剰なメンテナンスは、かえって不要なコストを生んでしまいます。
たとえば、飲食店の数が多いテナントビルと、居住専用のマンションとでは、汚れるスピードが全く異なります。建物の築年数や用途、過去のトラブル履歴などを専門業者に伝えましょう。専門家の診断に基づき、2年〜3年に1回など、最適な清掃周期の提案を受けることがコストの適正化につながります。
複数年契約を結び1回あたりの単価を引き下げる
信頼できる専門業者が見つかったら、複数年契約を結ぶことも料金を抑える有効な手段です。多くの業者では、長期契約を条件に1回あたりの作業単価を割り引くプランを用意しています。
業者側にとっても、長期的なスケジュールが組めることで、効率的な人員配置や機材準備が可能です。その分のメリットを、料金として還元してくれる場合が多いからです。これは、オーナーと業者の双方にとって利益のある関係といえるでしょう。単発での依頼を繰り返すよりも検討したい方法です。
複数の所有物件で一括発注し交渉する
マンションや店舗ビルなど複数所有しているオーナーであれば、排水管清掃を一括で発注することで、料金交渉を有利に進められる可能性があります。
いわゆるボリュームディスカウントです。業者としては、一度に大きな仕事を受注できるため、全体の料金から割引を受けられるケースが少なくありません。同じ業者にまとめて管理を任せることで、それぞれの建物の特性を深く理解してもらえます。これによって、さらに質の高いサービスを、よりよい条件で受けられるようになるでしょう。
排水管詰まりで不必要な料金を増やさない予防策
高額な修理費用の発生を防ぐには、詰まりが起きてから対処するのではなく、日ごろからの予防が何よりも重要です。
ここでは、不必要な料金を増やさないために実践したい、5つの予防策を見ていきましょう。
- 異物を流さないための注意喚起を行う
- 排水口のゴミ受けやフィルターをこまめに掃除する
- 小さな詰まりのうちに早めに対処する
- 禁止事項や注意事項を賃貸借契約書へ明記する
- 管理会社と連携して日常的な点検体制を強化する
これらの地道な取り組みが、将来の大きな出費を防ぐもっとも確実な方法です。
異物を流さないための注意喚起を行う
排水管トラブルの多くは、誤って異物を流してしまうことが原因で起こります。とくに、飲食店では天ぷら油やラーメンのスープ、マンションではティッシュペーパーや固形物などが詰まりのおもな原因です。
これらは個々の意識で防げる物がほとんどといえます。そのため、入居者や従業員に対して、注意喚起のチラシを配布したり、共用部にポスターを掲示したりすることが有効です。どのような物が詰まりやすいか、具体的な例をあげて説明すると理解が深まるでしょう。
排水口のゴミ受けやフィルターをこまめに掃除する
排水口のゴミ受けやフィルターをこまめに掃除することも、詰まりを防ぐ基本です。ゴミ受けは、大きな食材のカスや髪の毛などが直接排水管へ流れるのを防ぐ重要な役割を担っています。
ここが汚れていると、細かな汚れがすり抜けてしまい、管内部で蓄積する原因となります。マンションであれば入居者に清掃を促し、店舗であれば日々の清掃業務のマニュアルに組み込むとよいでしょう。簡単な作業ですが、その効果は大きいため、徹底することをおすすめします。
小さな詰まりのうちに早めに対処する
「水の流れが少し悪い」と感じる程度の小さな詰まりの段階で、早めに対処することが重要です。わずかな違和感を放置すると、汚れは雪だるま式に大きくなり、やがて完全な閉塞に至ります。
そうなると、解消にかかる費用や時間も大きくなってしまうでしょう。軽微な詰まりであれば、市販の薬剤で解消できる場合もあります。入居者や従業員から流れの悪さを相談されたら、すぐに対応する体制を整えておくことが、結果的に修理費用を抑えることにつながります。
禁止事項や注意事項を賃貸借契約書へ明記する
マンションやテナントのオーナーであれば、賃貸借契約書も有効な予防策です。契約書に、排水管の使用に関する禁止事項や注意事項を、具体的に明記します。
たとえば、「多量の油を流すことの禁止」や「指定以外の物を流して詰まらせた場合の修繕費用は入居者負担とする」といった条項を加えます。これにより、入居者の責任感を高める効果が期待できるでしょう。万が一のトラブルの際に、責任の所在を明確にするための拠り所ともなります。
管理会社と連携して日常的な点検体制を強化する
建物の管理を管理会社へ委託している場合は、その連携体制を強化することも大切です。排水管の状態について、定期的に報告を受けるようにしましょう。
たとえば、管理会社の日常清掃の際に、各所の排水口の状況を目視で点検してもらうよう依頼します。そして、異臭や水の流れの悪さといったトラブルの予兆があれば、すぐに報告してもらう体制を築くのがおすすめです。専門業者による点検と組み合わせることで、より網羅的な管理が実現し、不必要な出費を未然に防ぎます。
排水管詰まりを地域密着型業者に依頼するメリット
排水管の清掃や修理を依頼する際、全国展開の大手業者と地域密着型の専門業者で迷うことがあるかもしれません。とくに、建物の長期的な維持管理を考えるオーナーにとって、地域密着型の業者には多くのメリットが存在します。
以下に、地域密着型の専門業者に依頼する3つのメリットを紹介します。
- 地元事情や建物構造に精通しており迅速な現地対応ができる
- 顔が見えるサービスで長期的な信頼関係を築きやすい
- 緊急時も最短での対応が期待できる
単なる作業の依頼先ではなく、建物を守るパートナーとして選ぶ価値があります。
地元事情や建物構造に精通しており迅速な現地対応ができる
地域密着型の業者は、そのエリアの地理や建物の特性を深く理解しています。特定の地域で営業しているため、どのようなタイプのマンションや店舗が多いか、どのようなトラブルが発生しやすいかといった知見が蓄積されているからです。
そのため、問い合わせの段階から話がスムーズに進み、現場へも迅速に駆けつけられます。初めての依頼でも、建物の構造を素早く把握し、的確な対応を期待できるでしょう。この「地の利」ともいえる専門性の高さが、迅速で確実な問題解決につながります。
顔が見えるサービスで長期的な信頼関係を築きやすい
地域密着型の業者は、社長や担当者の顔が見えやすいという特長があります。大手業者のように担当者が頻繁に変わることが少なく、同じ担当者が長年にわたり建物の管理をサポートしてくれるケースが多いです。
これにより、建物の状況を継続的に把握してもらえる安心感が生まれます。また、何か困ったことがあれば気軽に相談できる、かかりつけ医のような存在になるでしょう。一度きりの関係ではなく、長期的な視点で信頼できるパートナーシップを築きやすい点は、大きなメリットといえます。
緊急時も最短での対応が期待できる
万が一、緊急の排水管トラブルが発生した場合、地域密着型の業者は心強い味方となります。営業所が近くにあるため、物理的な距離が近く、最短時間での現場到着が期待できるからです。
大手業者の場合、コールセンターから現場の作業員へ連絡がいくため、どうしてもタイムラグが発生しがちです。その点、直接話ができる地元の業者であれば、状況を正確に伝え、迅速な対応を促せます。入居者やお客様への影響を最小限に食い止めたい緊急時こそ、その真価を発揮するでしょう。
まとめ:排水管詰まりで料金が気になる方は一善にご相談を
排水管の管理は、その場しのぎの修理ではなく、長期的な視点での計画的な対策が重要です。トラブルを未然に防ぎ、建物の資産価値を守ることは、安定したマンション・店舗経営に不可欠といえるでしょう。
株式会社一善では、給排水の専門家として、皆様の計画的な排水管管理をサポートします。経歴18年以上の技術者が、高圧洗浄や内視鏡調査、排水管の更新工事まで、建物の状況に応じた最適なプランをご提案します。
排水管詰まりの料金が気になる方や、今後の管理計画について専門家の意見を聞きたいとお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。お客様との信頼を第一に、満足以上のサービスをご提供します。
この記事の監修者

梅田 一成
株式会社一善/代表取締役
プロフィール
1989年5月5日 牡牛座 AB型
《出身》
埼玉県
《趣味》
旅行・ドライブ(車好き)・お酒・ご飯
《資格》
排水管清掃作業監督者、排水管清掃技士、貯水槽清掃作業監督者、酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者