コラム
法人向け排水管清掃の費用相場や業者へ依頼するメリットを解説

マンションや店舗の排水管トラブルでお困りではありませんか?排水の流れが悪い、悪臭が発生するなどの症状は、配管内の汚れが原因かもしれません。放置すると完全に詰まって営業停止や入居者クレームにつながるおそれがあります。
本記事では、法人向け排水管清掃の費用相場や、専門業者に依頼するメリット・デメリットを解説します。施設管理担当者が知っておくべき情報を網羅していますので、貴社の排水管管理にお役立てください。
法人向け排水管清掃の費用相場は5万円~
法人向けの排水管清掃は、建物の規模や配管の状況によって料金が変動します。一般的な相場は5万円~ですが、詳細な内訳を理解することで、適正価格での契約が可能です。
ここでは、以下3つを解説します。
- 料金が決まる仕組みと内訳
- 追加料金が発生するケース
- 見積もりで費用を抑えるコツ
これらの知識を身につけることで、予算オーバーを防ぎながら質の高い清掃サービスを受けられるでしょう。
料金が決まる仕組みと内訳
排水管清掃の料金は、おもに「基本料金」と「作業料金」で構成されています。基本料金には、人件費や出張費、機材の使用料などが含まれるのが一般的です。これに、清掃する配管の長さや箇所数に応じた作業料金が加算されます。
たとえば、基本料金に1mあたり3,000円といった単価が上乗せされる形です。マンションやビル一棟など規模が大きくなると、清掃箇所に応じたセットプランが用意されていることもあります。見積もりを取る際は、これらの内訳が明確に記載されているかを確認することが大切です。
追加料金が発生するケース
見積もり時の金額から追加料金が発生するケースは、おもに4つあります。
- 配管の詰まりが予想以上に深刻で特殊な機材や薬剤が必要になる場合
- 休日や夜間の作業
- 高所作業や狭小スペースでの作業など特殊な環境での清掃
- 緊急対応で即日対応の場合
これらの追加料金を避けるためには、事前に現地調査を依頼し、作業条件を明確にすることが重要です。契約前に追加料金の有無を必ず確認しましょう。
見積もりで費用を抑えるコツ
清掃費用を賢く抑えるには「相見積もり」と「計画的な依頼」が効果的です。必ず3社以上から見積もりを取り、料金だけでなく作業内容や保証の範囲も比較検討しましょう。単に安いだけでなく、自社の状況に合ったサービスを見極めることが大切です。
トラブルが発生してから緊急で依頼するよりも、年間の定期メンテナンスとして計画的に契約する方が、一回あたりの単価が安くなる傾向にあります。複数の管理物件をまとめて依頼することも、有効な交渉材料になり得るでしょう。
法人の排水管清掃が必要な理由
排水管の詰まりや劣化は、企業活動に深刻な影響を与える可能性があります。定期的な清掃を怠ると、営業停止や法令違反など取り返しのつかない事態を招きかねません。
ここでは、以下4つの観点から、法人における排水管清掃の必要性を説明します。
- 事業継続を脅かす重大トラブルを防ぐため
- 特定建築物では法令違反を避けるため
- 従業員の健康と職場環境を守るため
- 設備の長期使用で投資効率を高めるため
これらの理由を理解することで、排水管清掃の重要性と投資価値を社内で共有できます。
事業継続を脅かす重大トラブルを防ぐため
排水管の完全な詰まりは、建物全体の水回りを使用不能にし、事業活動を停止させるおそれがあります。飲食店では1日の営業停止で数十万円、オフィスビルでは従業員の業務効率低下により数百万円の損失が発生する可能性も。さらに、排水管の破裂による水漏れは、階下への被害や電気設備の故障を引き起こします。
定期清掃により配管内の汚れを除去することで、これらのリスクを大幅に軽減可能です。予防的な清掃は、トラブル発生後の対応と比較してコストを削減できるため、経済的にも合理的な選択といえるでしょう。
特定建築物では法令違反を避けるため
興行場や百貨店、事務所などは延べ面積3,000㎡以上が対象で、学校や幼保連携型認定こども園は延べ面積8,000㎡以上が対象です。これらの「特定建築物」は、建築物衛生法に基づく清掃義務があります。排水管や汚水槽、雑排水槽などを含む排水設備全体を、6ヶ月以内ごとに1回、定期的に清掃しなければなりません。
なお、市が個人の宅地内の排水管の点検や、清掃を業者に委託することは一切ありません。保健所の立入検査で不適切な管理が発覚すると問題となるため、清掃記録の保管も含めて適切な管理が重要です。
従業員の健康と職場環境を守るため
排水管の汚れは悪臭の原因となり、職場環境を著しく悪化させます。下水臭は従業員のモチベーション低下や体調不良を引き起こし、生産性の低下につながるでしょう。排水管内で繁殖した雑菌や害虫は、感染症のリスクを高める危険性も否めません。
とくに飲食店や医療施設では、衛生管理の不備が顧客や患者への健康被害に直結します。定期的な排水管清掃により、清潔で快適な職場環境を維持できます。従業員の満足度の向上は離職率の低下にもつながり、採用コストの削減効果も期待できるでしょう。清潔な職場は企業イメージの向上にも貢献し、優秀な人材の確保にも有利に働きます。
設備の長期使用で投資効率を高めるため
排水管も建物の一部であり、適切なメンテナンスを行うことで寿命を延ばせます。汚れや油脂の蓄積を放置すると、配管の腐食が早まり、大規模な交換工事が必要になるケースも少なくありません。配管の交換には多額の費用と時間がかかり、事業への影響も大きくなります。
定期的な清掃は配管の劣化を防ぎ、設備の寿命を最大限に引き延ばす効果があります。目先の清掃費用はかかりますが、将来の莫大な修繕費を考えれば、結果的に投資効率を高められるでしょう。
法人が排水管清掃を専門業者に依頼するメリット
排水管清掃を専門業者に依頼することで、自社では対応困難な問題を解決できます。ここでは、以下5つのメリットを紹介します。
- 深刻な配管トラブルを未然に防げる
- 悪臭や害虫の発生源を根絶できる
- 専門機材で高い清掃品質が期待できる
- 建物の資産価値を長期的に維持できる
- 担当者と従業員の業務負担をなくせる
それぞれ見ていきましょう。
深刻な配管トラブルを未然に防げる
専門業者は高圧洗浄機やファイバースコープなどの機材を使い、配管内部の状態を詳細に把握できます。目視では確認できない配管の亀裂や腐食も早期に発見し、大きなトラブルになる前に対処可能です。実際に、定期点検で発見された小さな亀裂を補修することで、漏水事故を防いだ事例は数多くあります。
また、配管の材質や経年劣化の程度に応じた最適な清掃方法を選択できるのも、専門業者の強みです。素人判断での清掃は配管を傷めるおそれがありますが、プロは適切な水圧と薬剤を使い分けます。トラブルの予兆を見逃さない専門的な診断により、突発的な配管事故のリスクを最小限に抑えられます。
悪臭や害虫の発生源を根絶できる
排水管内に蓄積した汚れは、悪臭や害虫の温床です。専門業者による高圧洗浄は、配管内壁にこびりついた油脂や有機物を完全に除去し、臭いの元を断ちます。市販の薬剤では届かない配管の奥深くまで洗浄できるため、根本的な解決へとつながります。
とくにゴキブリやチョウバエなどの害虫は、排水管から侵入することが多く、飲食店では深刻な問題です。専門業者は害虫の侵入経路を特定し、適切な防虫処理も実施。清掃後は防臭・防虫効果のあるコーティング処理を行うことで、長期間にわたって快適な環境を維持できます。定期的な専門清掃により、衛生的な職場環境を確保できるでしょう。
専門機材で高い清掃品質が期待できる
専門業者が使用する業務用高圧洗浄機は、家庭用の10倍以上の洗浄力を持ちます。水圧は最大15MPa(メガパスカル)に達し、頑固な汚れも確実に除去可能です。配管の形状に合わせた専用ノズルにより、曲がりくねった配管の隅々まで洗浄できます。ファイバースコープによる洗浄前後の確認により、清掃効果を視覚的に確認できるのも大きなメリットです。
さらに、環境に配慮した専用洗剤の使用により、配管を傷めることなく汚れを分解します。一般的な清掃では落としきれないバイオフィルムも除去し、配管内を新品同様の状態に近づけます。このような高品質な清掃は、専門業者だからこそ実現できるサービスといえるでしょう。
建物の資産価値を長期的に維持できる
定期的な排水管清掃は、建物の資産価値を守る重要な要素です。配管の劣化による水漏れや悪臭は、テナントの退去や賃料下落の原因となります。
建物の売却時には、メンテナンス記録が査定額に大きく影響します。専門業者の作業報告書は、適切な管理の証明となり、買い手の信頼を得やすくなるでしょう。定期清掃により大規模修繕の頻度を減らせるため、修繕積立金の効率的な運用も実現できます。長期的な視点で見れば、専門業者への依頼は建物の価値を最大化する賢明な投資といえます。
担当者と従業員の業務負担をなくせる
排水管清掃を自社で行う場合、専門知識の習得や機材の準備、作業時間の確保など、多大な負担が発生します。専門業者に依頼すれば、これらの負担から解放され、本来の業務に集中できます。清掃計画の立案から実施、報告まで一括して任せられるため、管理業務も大幅に軽減されるでしょう。
作業中の事故リスクも専門業者が負うため、労災の心配もありません。定期契約を結べば、清掃時期の管理も業者側で行ってくれます。施設管理担当者は報告書の確認と承認だけで済むため、業務効率が格段に向上。従業員も清掃作業に駆り出されることなく、生産的な業務に専念できる環境が整います。
法人が排水管清掃を専門業者に依頼するデメリット
多くのメリットがある一方で、専門業者への依頼にはいくつかのデメリットや注意点も存在します。これらを事前に把握しておくことで、リスクを適切に管理し、より納得のいく依頼ができます。メリットだけでなく、課題となる側面も理解しておくことが賢明です。
ここでは、業者に依頼する際に考慮すべき4つのデメリットを解説します。
- 清掃費用が発生する
- 作業中は該当エリアの使用制限がある
- 老朽化した配管は清掃で破損のリスクがある
- 効果が目に見えにくく費用対効果を説明しづらい
これらの課題への対策をあらかじめ考えておくことが、業者との良好な関係構築にもつながります。
清掃費用が発生する
排水管清掃の費用は、法人の場合1回あたり5万円〜が相場となり、年間予算に組み込む必要があります。複数の建物を管理している企業では、年間数百万円の支出になることもあるでしょう。とくに中小企業にとっては、この固定費が経営を圧迫する要因となりかねません。
しかし、清掃を怠った場合の緊急対応費用は、夜間・休日の割増料金により大幅に高額になります。排水管の詰まりによる営業停止は、1日あたり数十万円の機会損失を生む可能性があります。また、配管破裂による水漏れ被害は、修繕費だけでなく営業補償まで含めると数千万円に達することも。定期清掃の費用は、リスク回避のための必要な投資と捉えることが重要です。
作業中は該当エリアの使用制限がある
排水管清掃の作業中は、水回り設備が2~4時間程度使用できなくなります。オフィスではトイレや給湯室、飲食店では厨房設備の使用制限により、業務に支障をきたすおそれも。とくに営業時間中の作業は、顧客サービスの低下や従業員の不便を招きます。
この問題を最小限に抑えるには、休業日や夜間の作業を検討することが有効です。24時間営業の施設では、エリアごとに時間をずらして作業を行う方法もあります。事前に従業員への周知を徹底し、仮設トイレの準備なども検討しましょう。年間スケジュールを立てて計画的に実施することで、業務への影響を最小限に抑えられます。
老朽化した配管は清掃で破損のリスクがある
築30年以上の建物では、配管の老朽化により高圧洗浄で破損する可能性があります。とくに鋳鉄管や塩ビ管は経年劣化により脆くなっており、通常の水圧でも亀裂が入るかもしれません。破損した場合、清掃費用に加えて配管の修繕費用が発生し、予想外の出費となります。このリスクを回避するには、事前の配管診断が不可欠です。
専門業者はカメラで配管の状態を確認し、適切な水圧を判断します。老朽化が進んでいる場合は、低圧洗浄や薬品洗浄など、配管に優しい方法を選択します。築年数の古い建物では、清掃と同時に配管の更新計画も検討することが賢明です。信頼できる業者なら、リスクを事前に説明し、最適な方法を提案してくれるでしょう。
効果が目に見えにくく費用対効果を説明しづらい
排水管清掃の効果は、配管内部の汚れ除去という目に見えない部分で発揮されます。清掃前後で見た目の変化がないため、経営層や財務部門に対して投資効果を説明することが困難です。「トラブルが起きていないのに、なぜ費用をかけるのか」という疑問を持たれることも少なくありません。この課題を解決するには、数値化できるデータの活用が有用です。
清掃前後の画像を比較資料として保管し、視覚的に効果を示しましょう。同業他社のトラブル事例や損害額のデータを収集し、リスク回避効果を金額で表現します。定期清掃により配管寿命が延びることを試算し、長期的なコスト削減効果を提示することで、投資の正当性を証明できます。
法人の排水管清掃で成功させるためのポイント
排水管清掃を効果的に実施し、コストパフォーマンスを最大化するには戦略的なアプローチが必要です。ただ業者に依頼するだけでなく、計画的な管理により大きな成果を得られます。以下4つのポイントを実践することで、排水管清掃を成功に導けるでしょう。
- 相場を知って適正価格で契約する
- 年間計画で予算オーバーを防止する
- PDCAサイクルでコストを最適化する
- 実績豊富な専門業者と長期の契約をする
これらのポイントを押さえることで、施設管理の質を向上させながらコスト削減も実現できます。
相場を知って適正価格で契約する
排水管清掃を成功させる第一歩は、適正な価格で契約することです。そのためには、まず自社の建物の規模や業態における費用相場を把握しておく必要があります。そのうえで複数社から見積もりを取り、料金とサービス内容を比較検討しましょう。
極端に安い見積もりには注意が必要です。必要な作業が省略されていたり、あとから高額な追加料金を請求されたりするケースもあります。相場感を持ち、価格の根拠を確認することで、質の高いサービスを適正価格で受けることが可能です。
年間計画で予算オーバーを防止する
突発的なトラブルによる緊急対応は、費用が割高になるだけでなく、予算管理を困難にします。こうした事態を避けるため、排水管清掃は年間の営繕計画やメンテナンス計画に組み込みましょう。
あらかじめ年間予算を確保しておくことで、計画的な業者選定が可能になり、予算オーバーを防げます。経理部門や経営層との合意形成も、スムーズに進みます。場当たり的な対応ではなく、計画的な管理を行うことが、法人における設備メンテナンスの基本です。
PDCAサイクルでコストを最適化する
排水管清掃は、一度実施して終わりではありません。Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)のサイクルを回すことで、継続的に管理レベルとコスト効率を高められます。たとえば、清掃後に業者からの作業報告書をもとに配管の状態を評価し、次回の清掃時期や方法を検討します。
汚れがひどい箇所は頻度を上げ、問題ない箇所は頻度を下げるといった調整を行えば、無駄なコストを削減可能です。長期的な視点で管理体制を改善していくことが賢明です。
実績豊富な専門業者と長期の契約をする
信頼できるパートナー業者を見つけ、長期的な関係を築くことは大切です。同じ業者に継続して依頼することで、自社の設備状況や注意点を深く理解してもらえます。これにより、毎回説明する手間が省け、より的確でスムーズな対応が期待できるでしょう。
また、長期契約を結ぶことで、1回あたりの単価を割り引いてもらえる可能性も高まります。法人向けの清掃実績が豊富で、自社の業態にも詳しい専門業者を選び、良好なパートナーシップを構築することが、長期的な成功の鍵となります。
まとめ:法人向け排水管清掃で費用が気になる方は一善まで
法人向けの排水管清掃は、建物の規模や用途により5万円~が相場です。定期的な清掃により、営業停止リスクの回避や設備の長期使用などメリットが得られる一方、費用負担や作業中の制限などのデメリットも存在します。
株式会社一善では、18年以上の経験を持つ技術者が責任を持って施工を行っており、大型物件から小型物件まで幅広い作業実績があります。排水管高圧洗浄工事をはじめ、排水管内視鏡調査やグリストラップ清掃など、給排水に関する専門的なサービスを提供。東京・神奈川・埼玉・千葉エリアに対応しており、お客様のニーズに合わせた最適なプランをご提案いたします。排水管清掃でお悩みの場合は、ぜひ一度お問い合わせください。
この記事の監修者

梅田 一成
株式会社一善/代表取締役
プロフィール
1989年5月5日 牡牛座 AB型
《出身》
埼玉県
《趣味》
旅行・ドライブ(車好き)・お酒・ご飯
《資格》
排水管清掃作業監督者、排水管清掃技士、貯水槽清掃作業監督者、酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者